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天狗について

karasutengu


求菩提山の天狗のこと

私のお世話になっているお寺は求菩提山の山伏の修験道場です。そこで天狗についていろいろなところからの引用もありますが、少しまとめてみました。

福岡県豊前市と築城町の境に位置する求菩提山(七八二メートル)は、平安時代から山伏の修験場として知られ、「一山五百坊」と呼ばれるほど数多くの山伏が住んでいました。そのにぎわいは江戸時代まで続きました。

求菩提山の天狗たちはその名を「次郎坊天狗」と言い、山伏姿をしたカラス天狗です。そして、それは「火伏の神」として、信仰を集めました。北谷にはその天狗を祀る社がありました。
そのため地元の民家では台所の「火の用心」の願いを込め、神のお札が張られていました。また火は水によって鎮められるため、天狗は水の神となり農業信仰の対象にもなっていました。

天狗が一番最初に登場するのは、日本書紀の舒明天皇の9年に大きな星が東から西に流れ、雷に似た音がしたのを僧旻が「あれは流星ではなく天狗(アマツキツネ)だ」と言ったという記録が残っており、これが天狗が文献に初めてでてきたものであるとされます。この舒明天皇9年という時期は大化の改新前夜で旱魃があり日食がありと、色々な異変が起きている時で、そういった怪異のひとつとして天狗が登場しています。

「平家物語」になると「手足は人、かしらは犬、左右に羽根はえ、飛び歩くもの」と記され、現在のイメージに近づいてくる。室町期の「太平記」でついに山伏の姿で登場しています。

鎌倉時代に書かれた源平盛衰記は、天狗は通常の六道(地獄道・餓鬼道・阿修羅道・畜生道・人間道・天道)には属さない天狗道に堕ちたものであるとされています。天狗は知者であり仏法にすぐれているので地獄/餓鬼/阿修羅/畜生道には落ちない。しかし無道心だから天道にも上れない。結果行き場がなくなって天狗道に落ちて輪廻から見放されてしまうのだとも。

御存知の「義経」にでてくる鞍馬の天狗ですが、天狗が牛若丸に剣術を教えたというのは、天狗にとって人々に知識を伝授することだけが天狗道から抜け出す方法だからではないかと考察されています。
つまり膨大な知識ゆえに天狗になってしまったので、それを誰かに渡してしまうことでやっと他の道に移動できるのだと。それ故天狗は色々と物事を教えてくれるのです。

天狗という言葉そのものは、日本独自のものではなく、源流をさかのぼるとこれまた「インド」に行き着くそうです。
天狗という言葉は、インドの仏典では「流星」をさす言葉として用いられており、それが中国語に訳されたとき「天狗」の字が当てられたといいます。
しかし中国では、各種の書物に天狗の表現があるものの地上に災難を及ぼす自然の恐れとして捉えられており、日本のように天狗は、人のような姿で語られることはありませんでした。

天狗には諸説ありますが、そのひとつに、日本書記のなかのサルタヒコ神という説があります。
サルタヒコ神は、一般に道の神・道祖神と考えられています。
また、後に修験道が盛んになりますと天狗の神様ともみなされるようになりました。
ちなみに「サルタヒコ神」の特徴は、赤ら顔に長い鼻修験山伏の服装をしており、鼻の長さ七握、背の高さ七尺、また口の端が光り、目は鏡のように照っていることは赤いホオズキに似ている。
とありますので、皆さんがイメージする天狗に本当に近いのではないでしょうか。

九州地方では山伏のことをヒコサン(修験の山である豊前の彦山)ともテングとも呼ぶ習わしがあり、両者は同一のものだとされているそうです。
天狗が山伏の姿をした話もあれば、山伏が死後天狗になったという話もあります。                                   
もともと天狗は日本古来の山岳信仰と台密両教(天台・真言密教両宗)に関係があり厳しい山での修行をきわめ、抜群の呪力・霊力を得た実在の人物が、山に対する神秘感と畏怖感から、里人によって天狗として祀りあげたものとする説もあります。
つまり、修験道者(山伏)が深山幽谷に籠って難行苦行を重ね、やがてお山の霊気と融合して超能力的な神通の力を体得してお山の大聖者となり、遂に天狗の名のもとに神として祀られたのだと解釈するわけです。 
                   
厳しい山での修行を極め、抜群の呪力・霊力を得た者が、山に対する神秘感と畏怖感から、里人によって天狗として祀りあげられたとする説もあります。
そして彼らはまた、里に病の者があれば祈祷をしたり薬を作ったりしてくれる存在であり、神に近い存在であったとも言えるでしょう。
結果、山中に出没する天狗というものにその山伏たちの姿がだぶった行ったのではないでしょうか。

今現代の天狗。山伏も少なくなりましたが、求菩提山ではいまだに千日の荒行をする僧もいます。また新しい形で伝承しているお寺もあります。これからお寺のことなどもおいおい書いていきたいと思います。
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テーマ: 豊前市 求菩提山とお寺 -  ジャンル: 地域情報
by tripgaido  at 15:30 |  求菩提山のこと |  comment (1)  |   |  page top ↑
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